ツイステッドワンダーランドを乙女ゲーとしてプレイする

こんばんは、kikiです。

結局ソシャカス卒業出来ず給料の半分がソシャゲに飛んでいっている中、新しいソシャゲに手を出しました。

セルランで桁違いの数値を叩き出すいわゆる”覇権ジャンル”の偵察だと自分に言い訳をしながらインストールを決意。フォロワーにも背中を押されました。

ちなみにもう既に数万円を溶かしてしまい猛省しております。手切れ金にしたい。

 

【公式】ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)

 

今回は覇権ジャンルツイステッドワンダーランドの感想を偏見と妄言とネタバレ満載で書いていきたいと思います。夢、ほんのり腐要素もあります。

考察などは読まないようにしていますが「ケイト元寮長説」については拝読させていただいております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メインストーリー全体感想

正直私とツイステのストーリーとの相性は”あまり良くない”と感じた。

オーバーブロット→解決の流れがあっさりしすぎていること、根本的解決に至っていないこと。4章まで読み終えたが一度も「終曲!」回で納得することが出来なかった。

ただ、きっとこれが”ヴィランが紡ぐ物語”なのだと感じたし、どれだけ正規の物語の真似事をしようとヴィランが幸せを偽造しようと、その枠組みから外れることは出来ない。ツイステには一貫してそのテーマがあるように思える。この物語がどのような結末を迎えるのか、知ってしまった私には見届ける義務がある。

 

ツイステ世界線の何が残酷か、というと「世界が終わらないこと」であると私は思う。

理不尽や不条理、釈然としないまま迎える終曲。いくつものそれらが全て同時進行で継続されることこそが一番の地獄なのではないか。

悪が生き延び、歯車が確かにズレ始める。響き続ける不協和音。ツイステッドワンダーランドが壊れる日(完結する日)が待ち遠しい。

ツイステッドワンダーランドのメインストーリーは全てプロローグである。

 

そしてそんなツイステ世界線においての”救済の象徴”、そして世界の”証人”になれるであろう男が、そう、トレイ・クローバーなのである。

 

私が人生を狂わせたツイステッドワンダーランド~真紅の暴君~(乙女ゲーム)。リドル、エース、デュースを攻略後に解放されるトレイ・クローバー√の話をしよう。

 

真紅の暴君 感想

攻略順はリドル→デュース→エース→トレイ(三人攻略で解放)→ケイト(トレイ攻略で解放)。

 

個別ルートをざっくりまとめると

リドル:ツイステ1章と同じ流れ。ツイステとは思えないほど善性に溢れたキャラ。

デュース:真面目になりきれないデュースに萌え、私の嫌いな”親に結婚の挨拶”シチュがあって萎えた。

エース:手が早い・嘘つき・ダメ男。どこかのバンドマンを思い出した。ダメな男と分かっていても惹かれてしまうしまんまと騙されたい。感情ジェットコースターで楽しめる√。

トレイ:ヤバい(詳細は後述)

ケイト:ハーツラビュル真相√。ケイトから静かなトーンで告げられたハーツラビュルの歴史に涙した方も多いのではないでしょうか。

 

ケイト・ダイヤモンドについて

トレイを語る上で欠かせない(と私が感じている)キャラ。

メインストーリーにおけるケイトの役割、がほとんどない。一番手でも二番手でもない。反逆者でも権力者でも、協力者でも支配者でも”誰でもない”感覚。そしてケイトの分身が出来るユニーク魔法では、誰でもないからこそ”誰にでもなれる”ことの裏付けが為される。そしてそれはケイトが唯一ではなく”群衆”であることのメタファーであるように感じたのだ。どこまでが意図的でどこまでが本質なのか、どれが嘘でどれが真実なのか。ケイト・ダイヤモンドという人物の輪郭を探しながらたどり着く真相。善であり悪であり、どこまでも中庸なケイトから見た確かな真実がケイト√にはあった。

ケイト・ダイヤモンドはハーツラビュルの語り手であるべき男。

 

トレイ・クローバーについて

全てが刺さりすぎてどこから話したらいいか分からない。

一番に言えることは「ツイステ世界線で最後に笑うのはトレイ・クローバーである」ということです。

 

メインストーリーを読み終えた後、真紅の暴君では「リドルの自己肯定力を構成していたいくつかの要素が崩れ落ちたこと」への不安、荒野の反逆者では「レオナの一生変わることのない生まれ」への不安、深海の商人では「アズールが積み重ねてきた形に見える努力が消えたこと」への不安に駆られた私だが、一章真紅の暴君ではそれを埋めるものとして”トレイ・クローバーの存在”があったように思える。

ハーツラビュル寮生からの信頼を得たとしてもリドルが長年、それこそ生まれた時から今この瞬間までずっと教えられてきた根底にある”正しさ”。人生を捧げていたものが抜け落ちた時。いくらそのやり方に不満があったとしても、考える隙すら与えない正しさを失った事実と生まれた”考える時間”に、気持ちが不安定になることがないとは言い切れない。その際一番傍で変化に気付き何かしら手を回したり、リドルに空いた穴を”上書き”するのはトレイ、なのである。

救いのないメインストーリーで唯一オバブロしたキャラに”意味をくれた”。

 

しかしそこに含まれるトレイの想いとしては「執着」という言葉が一番近い気がしていて、リドルのまっすぐさに心を打たれたこちら側としてはこれ以上ないくらい不快なのである。リドルの綺麗な世界にこんな歪んだ男が入り込もうとしている事実が最悪で、そして最高なのだ。

 

そもそもトレイの”副寮長”という肩書きが許せない。責任を負うこともなく、目立たないモブでもない。二番手という立場に甘んじるどっちつかずのトレイ。女王に付くのか兵士に付くのかハッキリしない態度。

感情が欠落しているのかおそろしく自己評価が低いのか誰かへの想いを拗らせているのか状況を楽しんでいるのか、はたまた全てか。トレイは全てを見渡すことの出来る頭のいい男で、全てを変える力さえ持った強い男だ。それなのにあえて「手を出さない」「当事者になりたがらない」のである。傍観者であるトレイは、悪が根付いたツイステ世界線において”禁止カード”であると私は思う。生き方は悪であると言えるのに世界が善でも悪でも、どうであろうとトレイは運命や宿命に振り回されることがない。全てが壊れてもトレイはいつでもその状況を「そういうもの」として素直に受け入れていそうな節がある。人生そのものを他人事のように見ていそうなのだ。

 

どちらにも手を貸すがどちらかを贔屓することもないしトレイ自身が何をしたいのかが読み取れない。そんな生き方のルーツを辿るとこれもまた「生まれ」にたどり着くのである。

 

トレイにはおそらくまともな自我、そして感情がなかった。そしてそれを誰かに伝えて消化する術も持っていなかった。ここでトレイの長男属性が光るのだ。誰かに頼ってもらうことは多くても人に頼ることは出来ない男なのだ。自分のうちで燻ぶらせているような男で、だからこそ考え方が歪み、そのまま成長する。

トレイの人生でのターニングポイントは確実に「リドルとの出会い」にある。閉じ込められていたまっすぐで真っ白なリドルにきっとトレイの中の何かが動いた。悪の中にあって悪でない、善の芽生えであるリドルにきっかけを与えられた。それがトレイが人生で初めて抱いた激しい感情。それでいて自分がその”生”を穢すことは出来ず、しかし触れずにいられる訳もなく、絶妙な距離感を保ちながら自我に蓋をして生きてきた結果現在の矛盾モンスターへとなり果てたのである。こうすると辻褄が合う。

 

そして実験着パソスト「過程や愛情はどうでもいい」発言について。

リドルは過程や愛情をきっと大事にするしリドルのそれらを拒絶しているのはいつだってトレイ自身。そして裏を返せばそれはリドルから”トレイの過程や愛情”を求められることへの恐怖のように感じた。トレイは、リドルを構成する要素として己の過程や愛情、トレイ自身の色が混ざることを恐れているのではないだろうか。

それだけリドルの存在に執着して常に傍にいるのに、トレイにとって重要(だと思い込んでいる)なのは強い外的要因から成り立つリドルの正義を貫く姿であって、きっと愛だのなんだのにリドルを黒く染めないで欲しいのだと思う。その「愛だのなんだの」に自分も含まれている。

本当は誰より過程や愛情に飢えているはずなのに拒絶する。やはりトレイは矛盾だらけの男なのである。人間性に欠けているのに感情を捨てられないのだ。

 

今まで起伏が少なかったトレイの中に生まれた感情─言葉にすることは難しいが─陳腐な言葉で言い表すと独占欲、のようなものだろうか。トレイは、それまでの反動か綺麗なものを自分の色で汚すことに誰より強く興味を持っている気がする。しかしそんな自分を否定し律することで副寮長のトレイ・クローバーを演じ、逃げ場を自ら潰して自分の感情から目を逸らすのだ。

きっとトレイが一番振り回されるものは世界でもなくそれが紡ぐ運命でもなく、己の世界の外側に居続ける生き方と生まれた自我との”矛盾”。スケールが大きいように見えてトレイの器は小さい。それこそがトレイ・クローバーはひとりの”人間”であることの証明である。

 

そしてここからがツイステッドワンダーランド~真紅の暴君~(乙女ゲーム)でヒロインがトレイの本質を引き出す部分にあたる。

トレイ・クローバーが本能のままに、自分の色で真っ白いキャンパスを塗りつぶしたいという欲を「満たす」ということを知る。その実験台になり、トレイには己が齎す影響のみで人ひとりの人生を狂わせる、というのがどういうことなのか、その快感を味わって欲しいのである。

 

トレイ√では日常がトレイに仕組まれた些細な違和感だらけ。身の回りがトレイの上書きだらけ。感覚が麻痺してきてトレイが干渉する生活が当たり前になっていく。

その痛々しい様子を見たケイトはある日ヒロインをハーツラビュルから連れ出そうとするんだけどトレイはそれを知ってて止めることをしないんだよね。そもそもトレイはヒロインと「一緒にいたい」「付き合いたい」とは思っていない。ヒロインが困ったときに真っ先に「トレイ先輩」って呼ばれることに快感を感じるタイプ。

トレイが干渉できない距離で過ごすヒロインがトレイを求めてそこから逃げ出す様子を見るのが好きだし、たとえ誰かに手を出されたとしても半笑いで眺めてる。そしてそこでもまたヒロインが「助けて」と口にする名前はトレイであるから。

そこで助けに入ることにより更にヒロインはトレイを信じてしまう悪循環に陥る。

 

トレイ√で1番好きだったシーンが、騙され続けるヒロインに笑いを堪えきれなくなってトレイがいきなり狂ったように笑うシーン。ずっと優しかったトレイ先輩がいきなり人が変わったように自分を罵ってきて思考停止したしその画面から進めることが出来なかった。

ヒロインが全てを失ったかのような絶望の表情を浮かべたのを見て満足したトレイが「嘘だよ、驚かせてごめんな」って優しく笑ったその笑顔が一番きれいで何も言えなくなった。絶対に何かがおかしいはずなのにもうトレイ以外信じるものがなくなったヒロインは愚かにもその「嘘だよ」を信じることしか出来ない。それを疑えば自分の存在すらあやふやになってしまうから。

そしてみんなに慕われるトレイ・クローバーのユニーク魔法が誰より洗脳向きだなんて誰も気付いてはくれない。そのようにトレイは人格を築いてきたから。

もうそうなると何が本当で何が嘘か、なんてものは重要じゃなくて、そこにトレイがいるかいないかだけが大事。

お姫様になれる魔法なんてどこにもなくて、本当は全部トレイが見せた錯覚に過ぎない。そんなトレイらしい√が刺さりました。

トレイ・クローバーの実験用眠りネズミ(マウス)になりたい。

 

最後に。無、そして激しい感情、それを抑え込むこと、しか知らなかったトレイに繊細な感情のひとつひとつを教えた人、今の副寮長トレイ・クローバーの人格形成を手伝ったと思われる人がケイト・ダイヤモンドだと考えています。人の愛し方を知らないトレイにユニーク魔法でさまざまなストーリーを見せてたくさんの愛の形を教えてくれたのがケイトだったら素敵だなと思うのです。副寮長トレイの「オカン属性」が付与される言動もケイトの”オレくん”のうちのひとりから教えてもらったものなのかもしれない。多くは語りませんがこのふたりのロマンチック壮大ストーリーも甘酸っぱい青春ラブストーリーもセフレから始まる悲恋シリアスストーリーも日常ラブコメも大好き。

全ての可能性を秘め、お互いが素でいられながらもたくさんの夢を叶えられる二人なんじゃないかなと思います。(乙女ゲー世界線とはまた別の話でした。)

 

結論。トレイ・クローバーはケイトとたくさんの恋を辿り、世界の理想をリドルに求め、ヒロインから支配欲と快楽と愛を得る。そんな強欲で罪な男なんです。ツイステが覇権ジャンルの理由は分からないけどトレイは確かに覇権でした。

 

最後に!

ツイステッドワンダーランドは早く完結して私を安心させて下さい。

そしてどうかツイステがトレイ・クローバーを「思ったことを言わない男」で終わらせませんように。

トレイの解釈が暴走しすぎてストーリーを読みなおすのも怖いし新規ストーリーにも怯える日々ですがトレイ√で優勝した事実を噛みしめて楽しく生きていこうと思います。私に出会ってくれてありがとう。

 

ツイステッドワンダーランド対あり!!!