レンドフルール 感想

こんばんは、kikiです。

レンドフルールをオランピアソワレと同時進行していました。温度差がすごい。

薄葉カゲローさんの絵がすごく好きで情報が公開された頃から実はずっと気になっていたのですがこの度ようやく手を出しました。

神の力を司る花々の箱庭で世界の命運を握るゲーム。人が万単位で死ぬ。

 

www.otomate.jp

 

今回もネタバレ全開で感想書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体感想

よくあるベストエンド、グッドエンド、バッドエンドではなくレンドフルールで用意されているのは「忠誠」エンド、「愛情」エンド、そして大量のバッドエンド(多くて攻略対象1人につき8個)。

さすがにレンドフルールの設定でそれぞれハッピーエンドを用意するのは無理があるとも感じるけど結局正解がひとつもないことに感情の行き場が分からなくなったり。1番ハッピーエンドっぽかったオルフェ愛情も受け入れがたく…う~ん難しい。このなんとも言えない後味がレンドフルールなのかな、とも。結局種人(私)からすると愚かな神々の美しくも残酷な、本来私たちが知りうることのない世界だったのかなあ。未だにレンドフルールとの距離を感じてる。

と、ここまで言ったけど楽しかったです。攻略対象それぞれに幸か不幸か定められた運命があって、どの感情を以てして世界の崩壊を食い止めるのか。それぞれのルートに隠された真相があって紐解いていくのが面白かった。

そして雰囲気と世界観、ヴィオレットのビジュアルが狂おしいほど好き。

スチルも大量で何度感嘆のため息をついたか分からない。

ラヴィールというレンドフルールならではのシステムも最初は面倒だったけど段々慣れて愛着が湧いた。ただ終盤のラヴィールで集中が切れることもしばしば。私の中でヴィオレットアンドロイド説が浮上した。

最終的に好きなエンドから

ルイ愛情>ギスラン忠誠>(越えられない壁)>オルフェ忠誠>ユベール愛情>>>>>オルフェ愛情>ルイBAD甘き忠誠>>>レオン忠誠、ギスランBAD破られた忠誠>レオン愛情、ルイ忠誠>ギスランBADこの愛に殉じて>ギスラン愛情

という感じだったかな!

ここに入れていない ユベール服従、ユベールBAD泣いて月を乞う器 はとにかく愉快すぎて高笑いしてた。毛色が違いすぎて並べられない。

MVPはもちろんレオンです。貴方がいなかったらきっとこの代のレーヌと四騎士たちの関係は成り立たなかった。

 

個別感想

攻略順は公式推奨順にレオン→ギスラン→オルフェ→ルイ→ユベールで。正直パッケージで一番デカい男は最後にやりたいタイプなので戸惑いつつもレオンからプレイ。

 

レオン:お前がヴィオレットに一目惚れしたと同時に俺はお前に恋をした!会って5分でクライマックスを迎えた。

思い返すとレオンの優しさに100回は救われていたな。間違った決断だったとしてもいつでもヴィオレットの意思を尊重し背中を押してくれた。自分が辛い時でもヴィオレットの為に怒ってくれた。ヴィオレットが恋という禁忌を犯したこともレオンは自分のせいにしてくれる。こんな無償の愛捧げられたらヴィオレットがレオンに甘えたくなるのもわかる。「脈ありかもしれない」状態であえて「何もしない」という選択を取れる強さと優しさ。そしてレオンはヴィオレットに死ねって言われたら死ぬもん。すべてを放り出してレオンに縋りたくなる。レオンの恋心に逃げたくなる。

レンドフルールはいつでも無慈悲な世界だけどレオンと一緒にいるときだけは夢を見て現実から目を逸らせる。恋は盲目、そして目を離した隙に世界は崩れ去る。レオン愛情は面白いとは言えないエンドだったけど愛に堕ちたレオヴィオがこうなるのは正直一番可能性があるような気がしている。レオンはヴィオレットより数倍ヴィオレットを理解していた。忠誠エンドはかっこよかったぞ!ヒューヒュー!

 

ギスラン:気性の荒いツンデレ近藤隆。逆巻家最推しがスバルだったオタクが初見でビビッときた男。口調は粗暴なのに声色が優しいと血が騒ぐ。ツン(とことん不器用なだけ)デレ(やさしさ)は世界を救う!

ギスランは女の子を下に見てるんじゃなくて”守られるべき存在”だと思ってることを知った時の爆萌えの波に飲まれた記憶を大事に生きていきたいし、まだ20歳なのにクソみたいに偉そうでチューした。お前が一番他国への偏見持ちで自意識過剰でカワイイ!

共通ギスランの「──女神の、加護を」てセリフでハッピーすぎて赤飯炊いてた。「何か用は無いのか」「俺に命じることは無いのかと聞いている」「さっさと命令を出せ」が超可愛かった。騎士になって張り切っちゃうギスラン♪主が心配で心配でしょうがないギスラン♪るんたた♪

そしてギスラン忠誠はレンドフルールで一番滾った√。クリザンテームを愛し、レーヌに忠誠を誓ったからこその台詞に何度も心を打たれた。最後のラヴィールで情報としてセットした回想、残された時間つまり現在のつなぎ演出がなめらかで甘美でどこか寂しくて余韻が綺麗だった。ギスランにとっては1番残酷な命令であるけれど騎士とレーヌとして「命令」と「拝命」を交わすことがギスヴィオの答えで。

最期にギスランが「ふふ…」て笑いを零すんだけど、どうしてもくだらない命令に逆らえなかったゆるやかな時間を思い出して笑ったみたいにも見えて泣けたよね・・・でもその過去にくだらない時間を過ごしたギスランに笑顔はなくて、笑ってたのは最期の命令の時、なのが切ない。きっとこの笑いには少しずつ自嘲、どうしようもない無力さ、みたいな要素も含まれているんだと思う。そしてギスヴィオの時間の積み重ねが引き出した笑みでもある。

と、しんみりしていたらラスト1分で興奮しすぎて荒れた。ヴィオレットにとっては女神のどこかに居続けるほんの”気持ち”の淡い約束、別れを決断するための儚く脆い夢のようなものだった。でもギスランは、東の騎士は、終わりの見えない苦痛、その生涯を文字通り全てかけて、その夢を叶えるために神をも敵に回す。

この√ではマダム・エンジュも最高だった。ギスランにとって深紅の刀剣は、毒にも甘味にもなり、そして「武器」にもなる。愛情√で悲劇を断ち切った男は、女神が悲劇とヴィオレットを終わらせた世界線で悲劇を”もたらす”男になる。

ギスランは忠誠にステ全振りしすぎて愛情がつまらんかった。愛情と忠誠で同じセリフでもヴィオレットを「あいつ」「レーヌ」と呼び分けるのが細かくて好き。愛情への階段を下ってしまったBADは好きだったけどギスランは愛に堕ちることはないので。記憶から消した。ただ…ギスランから抱きしめられてキスされて興奮したのは否定出来ない………。

 

オルフェ:そんな妖精みたいなナリして結構ちゃんと生きててビックリ。

オルフェ忠誠大好き!!!!!別れ方と余韻の美しさ圧倒的ナンバーワン。撫子の花びらがふっとヴィオレットに触れるように、最後のオルフェとの抱擁も風が撫でるように一瞬。オルフェの最後の言葉も、花びらが舞う風のように私の心を軽くしてくれた。

奇跡の神の卵はチートやなあと思います。後で書くけど何も持たないギスランの立場が浮き彫りになっていって興奮してた。

あとオルフェBAD置き去りの愛・Ⅱの「本当は聞こえてるんだよね?」ってセリフが忠誠の「ちゃんと、聞いているから」と真逆で鳥肌立った。

 

ルイ:初めて見た瞬間からルイのことを絶対泣かすと決めていた。

私が人生を狂わされる男の特徴は「自我や感情がない」「カリギュラ効果」「幸せのハードルが低い」「恋は人間が持つ一番激しい感情」など、なんですがルイからその匂いをプンップン感じてた。その余裕そうな顔をどうしても崩してやりたかった。黙って従うのは癪なのでそれ相応の”恋による衝動”を差し出しなさい!って気持ちを強く持って√進めました。

ルイはギスランの逆で愛情にステ全振りしすぎて忠誠が疎かになってた。ルイにとって愛情なき忠誠は執着の場ではない。本当の忠誠には愛という執着が必要だった。

愛情√、想像していたものより何倍も綺麗で優勝!こんなにも愚かで綺麗な「感情の自覚」がありますか?いつでも余裕そうな顔してる男が必死にヒロインの元に走るの大好きすぎて超~~~興奮した。

賭け事のようにヒロインの心をかき乱した男が、エンド後ヒロインからのささやかな悪戯や意地悪に心を痛めるのだ~い好き。ヒロインが発した言葉ひとつひとつに一喜一憂して、ヒロインが人生の全てになって。自分がやったこと忘れててホント草。こういう男を愛しています。

 

ユベール:A型って書いてあるけど絶対種人がユベールの血液検査したらB型!この人の「姫」呼び「ヴィオレット」呼びの使い分けが嫌いすぎていちいち引いてた。ただこの人も心が壊れてしまうくらい長い孤独な年月を過ごしてきていて私なんかが文句言えるような立場ではない。けど言う、絶対B型!

ユベールは愛情√でようやくほんのり好きになったかなあ。確かに過去のユベールの心は愛おしくてほんの少しの残り香のようなものでも信じたいと思った。取り戻したいと思った。可哀想で可愛いユベール。

 

ヴィオレット:叙任式での「執着の対象がないのなら、わたしがここに作ってみせるわ」で勝利を確信した。

ヴィオレットも結構世間知らずの赤ん坊なので簡単に愛に堕ちて世界を捨ててしまう。レーヌ制のこういう危うさがレンドフルールの味。顔がとっても綺麗でもし私が騎士だったとしても命捨てちゃうかもしれない。

個人的に一番好きなセリフはレオン√での「こういうの、生殺しっていうんだぞ……」に返した「……知らないわ、そんな言葉」。ヴィオレットが思考すら全てをレオンに委ねるワガママ姫ですっごく可愛かった!

そしてユベール服従√でのヴィオレットはずっと最高すぎて爆笑してた(笑)自分の為に怒っているのかミレーヌの為に怒っているのかユベールの為に怒っているのかその両方か。人の為に怒れるって傲慢だけどその人を強く思うからこそできることで、愛憎は紙一重で。ヴィオレットの自分と向き合うラヴィールは秀逸だった。

 

裏波:浅葱に”変わらない”ことを望む故、自らに”変えられる”ことすら望まない傍観者で萌えた 裏波の気持ちは本物だったけど何も変わらない、変えたくない、変える力すらない無力な蝶はずっとずっと適当な笑みを浮かべている 好き

 

四人の騎士比較

この4人の「最初のキス」が好き。

レオン:ヴィオレットを呼び起こす目覚めのキス、レオンから

ギスラン:ギスランの願いを叶えるように繋ぎ止めるキス、ヴィオレットから

オルフェ:同じ想いをもって、どちらからともなく

ルイ:不意打ちで行われた気持ちの伴わない【実験】として

なんだよね。最初の3人はもちろん愛情ルートに入ってからなんだけどルイはまだ愛情入ってなくてもキスする。腹立った。

 

レンドフルール、√によって取り上げる題材は全く違うけど手紙を出したり散策したり、のアクションを起こす過程がちょこちょこ共通して入ってるからヴィオレットに対してどう対応するのか、それぞれ個性があって比較するのが楽しかった。

 

もうひとつ、これはギスラン以外の3人なんだけどグラース搾取の際の苦しみ方比較。

レオンは胸を掻き、オルフェは頭を抑え、ルイは顔を隠す・・・

ヒロインに弱い部分を見せたくない浪川大輔は、好き、でしょ・・・ってなった

 

そして一番私が愛おしく感じる部分が「何も持つことを許されぬギスラン」なんですよね。

レオンは破壊の神、オルフェは希望の神、ルイは希求の神からのギフトを持つ。それなのにギスランは普通の種人、戦士であった。

どれだけ奇跡が起こってもギスランの”理不尽”の前には意味を成さず、ギスラン√で勝利を手にするにはギスラン”自身”の力で戦うしかない。逆に言えばギスランには何も持っていなくても抗えるだけの揺るがぬ強さが、執念が、立ち上がる勇気があるって部分なんですよ。ギスラン本当に推せる。大好き。

 

最後に!

 

箱庭の中でどう足掻くか、神への認識はどう変化していくのか。

世界観が綺麗で惹き込まれた。やってよかったなって思います。

スチルとオープニングムービー見てウットリしてます。

ギスラン忠誠とルイ愛情を得られて幸せです。

 

レンドフルール対あり!!